市場のフィルター構造とは何かアジアに進出した日系小売業は海外市場にどのような「幻想」を抱き続けてきたか

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タイトル
アジア市場幻想論
サブタイトル
市場のフィルター構造とは何か
著者・編者・訳者
川端基夫著
発行年月日
1999年 6月 30日
定価
2,700円
ISBN
ISBN4-7948-0457-1 
判型
四六判
頁数
320ページ

内 容

 本書は、アジアに進出した日系小売企業の「経験」を通してアジア市場の実態に迫ると共に、 海外市場を捉える視覚を提示したものである。 筆者の足かけ3年間にわたるアジア6カ国(香港含む)での現地調査を基にしたものであり、 これまで深い霧の中に置かれていたアジア市場の実像が明らかにされている。アジアには、すでに多数の日系小売業が進出している。 その数は、百貨店とス−パーで167店、コンビニは1200店以上に達している。 それらの多くは、1980年代以降のアジア諸国の高度経済成長に伴う市場拡大をねらったものであった。 とくに近年は、成長めざましい中国市場への出店が華々しい。これらの日系小売業のアジア進出を支えてきたのは、 圧倒的多数の貧困層とごく一部の富裕層とから成っていたアジア市場に多数の「中間層」が出現したことで消費市場が急拡大したという見方であった。 確かに近年のアジアでは、テレビ・洗濯機・冷蔵庫あるいは自動車などの耐久消費財が飛ぶように売れてきた。 また、郊外の住宅地に核家族で住み、 自家用車で都心に通勤をするホワイトカラー層の急増も伝えられてきた。 彼らのライフスタイルと消費のスタイルは、 日本や西欧社会のそれと変わらぬもののように見える。ところが、アジアに進出をした日系小売業は、 市場の拡大とは裏腹にその多くが赤字経営に陥っており、 閉店や撤退に追い込まれる企業も続出している。 重要なことは、 それが1997年の金融危機以降の経済低迷よりもずっと以前から続いている現象だということである。 確かに、金融危機以降のアジア市場の低迷には深刻なものがあるが、 日系小売業の苦戦は、むしろ海外市場の捉え方の誤りと、 自身が有する経営特性や課題に起因するものとみてよい。 それらが、アジア市場に多くの「幻想」を抱かせてきたのである。いったい、アジア市場で何が起きているのか。 アジア市場の現実はどのようなものなのか、 そして日系小売業はどのような「幻想」を抱いてきたのか。本書は、中間層論や所得指標に依拠した市場観から脱皮し、 新たにフィルター構造という概念で市場を捉えることを提示している。

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