北欧の湿地で見つかった少女の遺体はなにを物語るのか。古代ゲルマン世界を生きた名も知れぬ者たちの歴史=物語

978-4-7948-1258-2

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北欧の湿地で見つかった少女の遺体はなにを物語るのか。古代ゲルマン世界を生きた名も知れぬ者たちの歴史=物語

関連ワード
ヴィンデビー・パズル
タイトル
著者・編者・訳者
ロイス・ローリー著/島津やよい訳
発行年月日
2024年 2月 22日
定価
2,420円
ISBN
ISBN978-4-7948-1258-2 C0097
判型
四六判上製
頁数
240ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-Lois LOWRY(ロイス・ローリー)
1937年ハワイに生まれる。
『ふたりの星』と『ギヴァー 記憶を注ぐ者』でニューベリー賞を二度受賞(複数回受賞した作家は彼女を含め6名のみ)。
代表作『ギヴァー』は1200万部以上のセールスを記録。
次作TREE. TABLE. BOOK.(2024年4月刊)は認知症の老婆とその孫娘の物語。

内容

 『ギヴァー』四部作で世界的に著名な作家の最新作がお目見えします。考古学・法医人類学の最新知見と古代ローマの民族誌をくみあわせ、「女子供」を主役にすえた唯一無二のフィクションです。
 第二次大戦終結からまもない1952年、ユトランド半島の根元(ドイツ北端、デンマークとの国境付近)に位置するヴィンデビーという小さな町の沼で、一体のミイラが発見されました。部分的に損壊してはいたものの、科学的な調査の結果、「およそ2000年前、13歳で処刑された少女の遺体」と発表され、話題をよびました。
 沼などの湿地帯に特有の自然条件が、遺体を屍蝋化させたのでした。すでに19世紀以来、ヨーロッパ各地でこうした「湿地遺体ボグ・ボディ」が何百体も発見されていました。そのうちもっとも古いものは、デンマークで発見された紀元前8000年ごろの遺体です。
 さて作者は、「13歳で処刑された少女」の命運に胸を痛め、その死のパズルを解き明かそうと思いたちます。2000年前といえば紀元1世紀前後、ドイツ北部にはゲルマン人とよばれる人びとが暮らしていました。時期的・地理的に帝政ローマの歴史家タキトゥスが書いた民族誌『ゲルマニア』の世界とほぼ重なります。そこで作者はこの古典を下敷きに、イマジネーションをふくらませ、「ゲルマンの少女」の短い生涯を綴りはじめます。ところがその途上で、思いもよらぬ新発見がもたらされ、物語は劇的な変更を迫られます。
 幕間には作者による解説エッセイがはさみこまれ、謎解きのプロセスそのものをたのしむことができます。気鋭のイラストレーターによる綺麗な挿し絵、湿地遺体や武器の貴重な写真も魅力です。オーディンやソーなど、マーベルでもおなじみの北欧神話の神々も出てきますよ。
しまづ・やよい 翻訳家)

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