4月からはじまる新制度は欠陥だらけのトンデモ施策だ!偽りの無償化を撃ち、学生生活の喜びを讃える思考の武器

978-4-7948-1149-3

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4月からはじまる新制度は欠陥だらけのトンデモ施策だ! 偽りの無償化を撃ち、学生生活の喜びを讃える思考の武器

関連ワード
奨学金なんかこわくない! 『学生に賃金を』完全版
タイトル
サブタイトル
『学生に賃金を』完全版
著者・編者・訳者
栗原康著
発行年月日
2020年 4月 8日
定価
2,200円
ISBN
ISBN978-4-7948-1149-3 C0036
判型
四六判並製
頁数
272ページ

著者・編者・訳者紹介

著者 栗原康(くりはら・やすし)
1979年生まれ。
作家、政治学者、大学非常勤講師(専門:アナキズム研究)。
早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程満期退学。
白石嘉治との共著『文明の恐怖に直面したら読む本』(Pヴァイン)、『執念深い貧乏性』(文藝春秋)、『アナキズム』(岩波新書)など著書多数。

内容

大学に将来はない。いま死んでもいい。いまこの一瞬だけを永遠に繰り返していたい。これを読んだら死んでもいい、そんな本にであってみたい。これをやったら死んでもいい、そんなセックスをしてみたい。人間にとって、それ以上にだいじなことはあるだろうか。TIME GOES AROUND 愛を握りしめ、TIME GOES AROUND おまえを放さない。ふだん、わたしたちは将来に飼いならされている。よりよくなれ。みんなからもっと使えるやつだとおもわれたい。でもそれがあたりまえになってしまうと、たとえ死ぬほどツライ目にあったとしても、いまはガマンだと耐え忍んでしまう。メンタルを病んでも、体を壊しても。だが、いちどでもいい。永遠のいまを感じたことがあるならば、身体が勝手にうごきだす。みんなにどうおもわれるかなんて関係ない。やるならいましかない、いつだっていましかない。スマホを地面に叩きつけ、未知の彼岸で踊りだす。大学無償化とは、この将来でがんじがらめの世のなかで、たった4年間でもいい、いまを生きる機会をつくりだそうというものだ。授業料は全員タダ。全員に生活費がくばられる。みんなそうだから負い目なんて感じない。日本の大学はこれに逆行することばかりやってきた。高い学費、奨学金で借金漬け。カネをだしてくれたひとに恩を感じさせ、それに報いることを意識させる。いま政府が「無償化」を謳っているのも同じことだ。一、二割の貧しい世帯だけにカネをだし、かれらに極度の負い目をうえつける。お世話になったみなさんのためにも、将来、立派な人間になりましょう? 封建かよ。偽りの「無償化」はもうたくさん。学費は高いぞ。奨学金は借金だぞ。借金のとりたてはきびしいぞ。そろそろ、将来のくびきを断ち切って、真の無償化をかちとろう。学費はゼロ。奨学金なんてこわくない、返さなくてもいいのなら。逃げろ。この腐った世界から転がっていこうぜ。いまが最高!

(くりはら・やすし)


*2015年刊『学生に賃金を』にその後の状況変化をふまえて大幅加筆、新たな資料をくわえた増補完全版

*追補資料:①付表 大学授業料と世相、②グラフ 大学授業料の上昇傾向、③大学はちっとも“無償化”なんかされてない!──『高等教育の修学支援制度』(2020年4月〜)の大問題・徹底解説

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