スウェーデンで行われた津波被災児童のグループ支援法に、震災で深い心の傷を負った子どもたちのケアの要諦を学ぶ。

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タイトル
子どもの悲しみとトラウマ
サブタイトル
津波被害後に行われたグループによる支援活動
著者・編者・訳者
BRIS+モニカ・ホルム編
 
谷沢英夫訳/平田修三解説
発行年月日
2014年 6月 3日
定価
2,376円
ISBN
ISBN978-4-7948-0972-8 
判型
四六判並製
頁数
240ページ+カラー口絵8ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-BRIS(Barnens R?tt i Samh?llet 社会の児童権利の会)-
1971年に設立されたスウェーデンの児童人権擁護NGO。
子どもの悩みについて相談窓口を含む児童人権擁護活動を行っている。
主幹はソフィア・グルンキビスト。

内 容

 東日本大震災からはや3年がすぎ、さまざまな難題が浮上してきている。その一つが、震災で家族や友人を亡くした被災児童の心のケアである。現状では、彼らの深い心の傷へのケアが十分になされておらず、その結果、不登校、集中力低下、ストレスによる不眠などの深刻な症状が起きており、対応が求められている。本書は、スウェーデンで行われた被災児童のグループ支援の実例を紹介したものである。2005年のスマトラ島沖大地震の際、クリスマス休暇でタイのプーケット海岸を訪れていた543名のスウェーデン人が津波で亡くなった。政府は即刻、この津波で親や家族を失った子どもたちの心のケアを、児童人権擁護団体BRIS委ねた。BRISは悲しみに沈む子どもたちに呼びかけ、同年齢の5~7名ごとにグループをつくった。この小人数のグループごとに行われるミーティングの場で、子どもたちは互いに自分の思いを打ち明け合い、自らが抱える問題や悩みに正面から向き合い、最終的には辛く悲しい体験との「和解」に到達していく。「和解」とは、辛さや悲しみの連鎖を断ち切りつつ、それを忘れるのではなく、自らの体験としてしっかりと受けとめることである。それが、悲しみを乗り越えて前に進むための精神的な土台ともなる。悲しみに打ち勝ったり、無理に忘れたりする必要はない。悲しみを悲しみとしてまっすぐにとらえ、心の中に大切にしまっておく、という考え方である。本書は、このグループ支援の活動記録と、ケアの理論・方法論から構成されている。とりわけ活動記録は多くの示唆に富む。登場する子どもたちは15~17歳と、まさしく思春期にある。さまざまな場面で、子どもとして行動すべきか、大人としてふるまうべきかに迷い、悩みを相談する相手もなかなかいない。しかし、グループ・ミーティングの回を重ねるごとに、悲しみ、悩み、不安などに覆われた心の窓が徐々に開いてゆく。辛い体験と向き合い、やがて悲しみと「和解」していく過程は感動的だ。被災のトラウマの問題を深く見つめた実践的な書として、日本の被災児童の心のケアに携わっておられる方々をはじめ、一人でも多くの方に読んでいただければと願っている。
(訳者 谷沢 英夫)
もくじ
日本のみなさんへ(ソフィア・グルンキビスト) ⅰ
日本における悲しみとトラウマ――本書の解説にかえて(平田修三) ⅴ
はじめに――グループによる支援活動の背景 3
惨事のあと 5
第Ⅰ部 悲しみ(トラウマグループ) 13
グループ・ミーティング1◆ 15
グループ・ミーティング2◆ 23
グループ・ミーティング3◆ 28
悲しみ◆ 34
  子どもたちが書いた文章や絵など
グループ・ミーティング6◆ 55
家族◆ 61
  子どもたちが書いた文章や絵など
グループ・ミーティング8◆ 74
周り(環境)◆ 82
  子どもたちが書いた文章や絵など
グループ・ミーティング14◆ 96
儀式◆ 100
  子どもたちが書いた文章や絵など
再会◆ 110
第Ⅱ部 グループによる支援活動に参加したい理由(マリアン・ストラウメ) 119
悲惨な体験をしたグループによる活動◆ 121
グループによる支援活動のための準備◆ 123
ティーンエージャー・グループでの指導方法◆ 127
重要な最初のミーティング◆ 133
テーマ活動におけるリーダーシップ◆ 139
方法◆ 148
保護者同席で終了(一緒に終了する)◆ 155
参考文献一覧◆ 157
第Ⅲ部 悲しみは一つの車輪(ヨーラン・ギィレンスヴェード) 159
反応◆ 161
年齢別の反応◆ 165
トラウマ◆ 181
ケアのプロセス(対応)◆ 184
第Ⅳ部 附録 189
テーマ◆ 190
練習◆ 194
訳者あとがき 207

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