「森のムッレ」に出会ったことがありますか?

「環境対策先進国」スウェーデンの教育法に学ぶ森での授業、野外保育の神髄と日本での実践例

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関連ワード
幼児のための環境教育
タイトル
サブタイトル
スウェーデンからの贈り物「森のムッレ教室」
著者・編者・訳者
岡部翠編
発行年月日
2007年 4月 20日
定価
2,200円
ISBN
ISBN978-4-7948-0735-9 
判型
四六判並製
頁数
284+カラー口絵4ページ

著者・編者・訳者紹介

編著者-岡部翠(おかべ・みどり)
1977年東京生まれ。
1996年国際基督教大学入学、在学中に米ジョージタウン大学へ留学した後、東京大学大学院新領域創成科にて国際環境協力を専攻し、2002年修士号を取得。
現在、スカンジナビア政府観光局に勤務する傍ら、スカンジナビアの先進的な社会政策について講演・執筆活動を行う。

内 容


 ポテトチップスやドッグフードにまで環境ラベルが付けられているスウェーデンは、人々があたりまえのようにエコライフを送る環境先進国です。それもそのはず、この国では保育園から環境教育が始まります。なかでもとてもユニークで先進的なのが、国民の5人に1人が経験している幼児向けの自然教室「森のムッレ教室」です。
 子どもたちが森のなかで遊びながら自然を学ぶというこのムッレ教室は、50年前にスウェーデンの「野外生活推進協会」によってつくられました。教室ではトレーニングをつんだ大人のリーダーが子どもたちを自然へ案内します。「ムッレ」とは森の妖精のことで、自然の大切さをやさしく教えてくれます。このムッレ教室の教育法を取り入れて、1日中外で活動する「野外保育園」は、今日スウェーデン全国に普及しています。このような保育は、集中力や思いやりを育む総合的な「人間教育」と認識されているのです。
 このムッレ教育を日本で普及するために活動している団体があります。スウェーデンと同じく緑豊かな兵庫県丹波市市島町で立ち上がった「日本野外生活推進協会」です。全国7ヵ所に支部があり各地でムッレ教室を実践しています。今年、同協会が設立15周年を迎えることを記念し、本書では、ムッレ教育とは何か、従来の野外活動とどう違うのか、文化の異なる日本でどう実践しているのかなどについて、ボランティアから保育士までムッレ教室の普及と実践に携わる人々を訪ね、その活動と体験を語ってもらいました。
 本書は、保育や子育てに野外活動を取り入れるための入門書でもあります。「体験を通して自分で考える力を養う」というスウェーデン独特の教育法の代表ともいえるムッレ教育が、今後の日本の教育のあり方に大いなる示唆を与えてくれることを期待しています。

口 絵

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目 次
はじめに i

第1章 スウェーデンのムッレ教室とは
−−その歴史といま

1 森のムッレとの出会い 4

2 森のムッレ教室のはじまり 6
スウェーデン野外生活推進協会とは 6
ボランティアのリーダーが支える地域の自然環境 10
自然享受権を守るために 12
「森のムッレ教室」のアイデアが生まれるまで 16
保育園に取り入れられた森のムッレ教室 19
広がる野外教育プログラム 21

3 森のムッレ教室とは
−−目標と活動 23
幼児からのムッレ体験で自然感覚を身に着ける 23
森の妖精「ムッレ」とは 26
 森のムッレ誕生のお話 29
 森のムッレのお友だち 33
森のムッレ教室の一日 35
安全への配慮 38

4 森のムッレ教室とは
−−理論と実践 41
年齢にあわせた教育プログラム 41
自然のなかで概念を築く 44
子どもとエコロジー 49

第2章 保育におけるムッレ教育の効果
−−保育園の比較研究から

1 二つの保育園の比較する研究 55
スウェーデンの保育事情 55
野外保育園の園庭の特徴 59
保育園の比較調査の方法 62

2 野外保育園の驚くべき効果 70
遊びの環境と「遊びの可能性」 70
遊びの創造性 72
健康 74
運動神経の発達 74
集中力 76

3 日本とスウェーデンの子どもたち 79
日本とスウェーデンに見る子どもたちの違い 79
運動するほうがよく勉強ができる 81
野外保育園が社会の模範に 81
日本の都会にも公園を 85

第3章 森のムッレ教室を日本の子どもたちに
−−兵庫県の市島町(いちじまちょう)から日本全国へ

1 はじまりは一通の投稿記事から 91
 ムッレ教室を日本に 93

2 とにかく、野外教室をやってみよう
妹の里帰り 97
スウェーデン式の野外教室を日本で初めて体験 98
少年時代の外遊びとの違い 101
ムッレ教室を市島町へ 105

3 森のムッレ教育を日本中に広めるために 108
一億円が市島町にやって来た 108
ムッレ教室をふるさと未来塾の事業に 111
日本で初のリーダーが誕生 113
日本野外生活推進協会の設立 115

4 スウェーデンとの交流を重ねて 117
日本のムッレ教室のリーダーがスウェーデンに行く 117
ムッレの創始者が市島町にやって来た 120
ムッレ教室の日本での広がり 123

第4章 森のムッレ教室はリーダーになることからはじまる
−−リーダー養成講座とは 125

1 森の国スウェーデンに学ぶ 128
森のムッレとの出会い 128
森の国スウェーデンの子どもたち 129
「エッペルブー保育園」を訪ねて 132
チャーミングでエコロジカルな園庭 136

2 森のムッレ教室のり−夕−を育てよう 139
ムッレ教室の原動力「リーダー養成講座」 139
リーダー養成講座の内容 144
アクティブに参加する受講生 149
雨の日のリーダー養成講座 151
森の妖精ムッレとの遭遇 155
リーダー養成講座を終えて 157

3 リーダーになるための心得とは 160
リーダーは子どもの案内人 160
なぜ、スウェーデンに学ぶのか 164

第5章 森のムッレ教室を実践する人々
−−日本での活動と体験記

1 保育園での森のムッレ教室体験記
−市島町編 170
森のムッレとの出会い 170
ムッレ教室をやってみよう 171
これまでの保育との違い 176
保育園でのリーダーの体験から 178
幼少期にこそ自然体験を 185
まずはリーダー養成講座を 190

2 新潟県支部立ち上げへの道のり 192
森のムッレとの出会い 192
市島町でのリーダー養成講座 195
新潟の保育園でムッレ教室を 197
新潟県支部の設立へ 199
新潟県支部の活動 202
新潟県支部のこれから 204

3 保育園での森のムッレ教室体験記
−新潟編 209
森のムッレとの出会い 209
保育園での初めてのムッレ教室 210
ムッレの森を子どもたちに 211
現在の山五十嵐保育園(やまいからしほいくえん)の姿 214
保育園でのムッレ教室の進展 216
ムッレ教室を見守る保護者 219

終章 森のムッレ教室のこれから
−−子どもたちの未来のために 225

多様な団体との協力体制を 227
保育園・幼稚園への普及に向けて 229
企業のCSR活動に森のムッレ教室を 231
 森のムッレ教室−−自然が好きなら環境を守れる 236
ムッレ教室は将来への備え 243

おわりに 248
付録−−日本野外生活推進協会各支部のご案内 259

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