「積極的平和主義」は中東・イスラーム世界の平和を実現しない。対テロ戦争、人道的介入を超える21世紀の〈運動ムーブメント〉を模索する。

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タイトル
終わりなき戦争に抗う
サブタイトル
中東・イスラーム世界の平和を考える10章
著者・編者・訳者
中野憲志編著
 
[執筆者]平山恵(明治学院大学)/レシャード・カレッド(カレーズの会)/イヤース・サリーム(同志社大学大学院)/役重善洋(パレスチナの平和を考える会)/藤岡美恵子(法政大学)/リアム・マホニー(Field View Solutions)/長谷部貴俊(JVC)/臼杵陽(日本女子大学)/阿部浩己(神奈川大学)
発行年月日
2014年 3月 10日
定価
2,916円
ISBN
ISBN978-4-7948-0961-2 
判型
四六判並製
頁数
296ページ

内 容

本書のベースとなった2011年、2012年の三つのシンポジウムの内容および、その報告を行った「〈NGOと社会〉」の会ニューズレター9号は以下を御覧ください。

〈NGOと社会〉の会ニューズレター

 シリア、アフガニスタン、パレスチナ…、〈中東〉の平和は、なぜこんなにも遠いのか? これを考えるヒントとして、私たちはかつて中東・イスラーム研究家の板垣雄三が提起した「歴史の現在」という言葉を知っている。それは、現在を「目まぐるしく過去に転化しつつ未来を実現することによって、過去と未来がそこに統一される場」として捉える歴史認識のことであるが(『歴史の現在と地域学』 岩波書店)、しかしこれによって照射されるべき「可能性のカード」としての未来は、今、希望という言葉からあまりにかけ離れてみえる。パレスチナの占領(1947年〜)、人道的軍事介入(1993年のソマリア以降)、対テロ戦争(2001年〜)、そして「保護する責任」に基づく武力行使(2011年リビア、コートジボアール、2013年マリ)を終わらせようとする意思が、世界のパワー・エリートからまったく読み取れないからである。私たちはそのことに無頓着すぎはしないだろうか。おそらく、希望のカードは「歴史の現在」を招来せしめた世界史の蹉跌を乗り越えんとする人間の現在的営為によってのみ手にしうるだろう。そして歴史がそのカードを引くためには、時の政権が語るような安保戦略と一体化し、軍事によって担保される「積極的平和主義」ではなく、生きるという人間の本源的営みをより豊かにし、存在の尊厳を守ることそのものであるような言葉として平和の理念を転換し、内政・外政にわたる日本の政治の行方を変えることが求められている。イスラーム世界の平和、今や人類の四分の一近くを占めるにいたったムスリムの尊厳抜きに、いかなる平和も構想できない。国際NGOや連帯運動ばかりではない。「戦後」平和運動そのものが、現在という「さらに切迫的に特異な世界史の転換点」(板垣)に立たされている。
(編著者:中野憲志)

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