45年にわたる交流を生かし製造業を中心に103事業所を訪問、「モノづくり」「中小企業」の未来への豊かな示唆を汲み取る。

978-4-7948-1115-8

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45年にわたる交流を生かし製造業を中心に103事業所を訪問、「モノづくり」「中小企業」の未来への豊かな示唆を汲み取る。

関連ワード
メイド・イン・トーキョー 墨田区モノづくり中小企業の未来
タイトル
サブタイトル
墨田区モノづくり中小企業の未来
著者・編者・訳者
関満博著
発行年月日
2019年 3月 7日
定価
8,800円
ISBN
ISBN978-4-7948-1115-8 C3060
判型
A5判上製
頁数
584頁+カラー口絵8ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-関満博(せき・みつひろ)
1948年生まれ。一橋大学名誉教授。博士(経済学)。
代表作『東日本大震災と地域産業復興Ⅰ〜Ⅴ』(シリーズ完結)のほか、『「地方創生」時代の中小都市の挑戦』『北海道/地域産業と中小企業の未来』『農工調和の地方田園都市』など著書・編著書多数。

内容

東京都墨田区は、ピーク時の一九七〇年には立地工場数が九七〇三を数え、大田区、東大阪市と並んで日本を代表する工業集積地、中小企業のまちとして知られてきた。だが、高度成長期を過ぎた頃から急激に工場数を減少させ、現在その数は二一五四となっている。同区には明治初期から近代産業が移入され、皮革、メリヤス、紡績、ガラス、ゴム、合成樹脂産業などが拡がっていった。これらの産業製品は、やがて「メイド・イン・トーキョー」として全国に普及していく。墨田区は右の諸産業の発祥の地であり、「メイド・イン・トーキョー」の象徴ともいえるまちなのである。筆者が墨田区の中小企業と出会ったのは一九七三年。以来四五年の付き合いになる。この間、円高により対米輸出が消失した一九八五年以降、中国に向かう企業も増えたが、その多くは挫折して国内に戻り、やがて退出していった。一方、国内に踏みとどまり生き残った中小企業は独特なものを身に着けることになった。自社ブラントの形成、大都市東京で生まれる新たな要請への対応、付加価値の高いモノづくり、幅広いネットワークの構築、オープンイノベーションへの挑戦など、従来とは大きく異なる道を見出していった企業が多い。これら中小企業の歩みには、「新たなメイド・イン・トーキョー」の可能性が示されている。そしてそれは成熟化、人口減少、高齢化、グローバル化に直面する日本の地域産業・中小企業の今後にも重要な示唆を与えるものでもある。古希を迎えた筆者にとって、その示唆をまとめるには今が最後の機会かもしれないと考え、この一年、改めて一〇〇を超える中小企業を訪問した。いずれも新たな時代を意識し、生き生きと可能性を語ってくれた。モノづくり企業や工場の数は減少したとはいえ、成熟時代を先導する「新たなメイド・イン・トーキョー」の拠点としての内実はむしろ濃密になっている。生まれ変わりつつある墨田区の今を多くの方々に知っていただければと思う。
(せき・みつひろ)

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