戦争の現実とその不幸はいかに語り継がれるべきか。戦後60年を期に本書を世に問う。

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タイトル
深海からの声
サブタイトル
Uボート234号と友永英夫海軍技術中佐
著者・編者・訳者
富永孝子著
発行年月日
2005年 8月 3日
定価
3,024円
ISBN
ISBN4-7948-0663-9 
判型
四六判上製
頁数
450頁+口絵4ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-富永孝子(とみなが・たかこ)
1931(昭和6)年山口市生まれ。昭和18年から22年まで大連市に住む。
早稲田大学第一文学部卒。
雑誌記者、TV局勤務を経て現在文筆家。
著書に『〔改訂新版〕大連 空白の六百日』『遺言なき自決?大連最後の日本人市長・別宮英夫』などがある。

内 容


 第二次世界大戦も終りに近づいた1945年3月24日、北ドイツのキール軍港からUボート234号(ドイツの潜水艦、以下U234)が、極秘裡に日本へ向った。乗務員のほか12名の便乗員と、積載限度いっぱいの独軍機密兵器と設計図を乗せ、その中に560キロのウランが秘匿されていた。
 便乗者12名のうち2名は日本海軍技術将校。航空機エンジンの権威庄司元三技術中佐41歳と潜水艦設計の第一人者友永英夫技術中佐36歳、ともに東京帝国大学工学部出身の俊英だったが、彼らは末期的戦況打開のために新兵器開発を祖国から託され帰国を命じられていた。また、ヒトラー暗殺計画グループの一員と疑われていた独空軍大将ウーリッヒ・ケスラーや、日本の兵器開発に協力するための、選り抜きの独海軍技術将校、それに民間技術者たちも乗っていた。
 6度の危機を克服したU234が、北大西洋を南下中の5月8日、ドイツ降伏を受信した。「命令通り日本へ」と迫る日本海軍将校、「中立国へ」と主張するケスラー大将、「英軍より米軍へ投降を」と言い立てる乗務員たち。そして弱冠25歳のフェラー艦長の苦悩。艦の破壊を怖れたフェラー艦長は、日本軍将校を監禁。英軍機をふり切ったU234が米海軍に投降を決断するや、ふたりの日本人将校は遺書を遺して自決。大西洋に水葬されたふたりの魂は、その後独海軍の手によってキールのUボート記念碑内に詞と共に顕彰され、今も語り継がれている。
 本作品は、長年集めた新資料と証言を基に、潜水艦設計に命を捧げた友永英夫を通して、昭和の日本海軍潜水艦やU234の苛酷な運命と秘話を明かす。U234のウランはどこへ。便乗者や乗務員たちのその後は。夫を父を失った遺族たちの苦難の戦後史を加え、戦いのむなしさを浮き彫りにする。

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