戦後農政の枠組みを超えて「自立」へ向かう農村女性たち。「農と食」を通じたその豊かな営みに日本社会の未来を見る!

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タイトル
「農」と「食」の女性起業
サブタイトル
農山村の「小さな加工」
著者・編者・訳者
関満博・松永桂子編
発行年月日
2010年 12月 21日
定価
2,700円
ISBN
ISBN978-4-7948-0856-1 
判型
四六判並製
頁数
240ページ

著者・編者・訳者紹介

編者-関満博(せき・みつひろ)-
1948年生まれ。
一橋大学大学院商学研究科教授。
『地域産業の「現場」を行く』(既刊1〜3集)『「農」と「食」の農商工連携』他。
松永桂子(まつなが・けいこ)-
1975年生まれ。
島根県立大学総合政策学部准教授。
共著『「縮小」時代の産業集積』(創風社)、共編著『「村」の集落ビジネス』他。

内 容

 2000年代に入ってから、「毒入りギョーザ事件」「食品偽装事件」等が相次ぎ、また日本のエネルギー換算の食糧自給率が40%を切るなどの事態によって、「農」と「食」への関心が高まっている。他方、日本の農業部門については、減反、米価の低迷、高齢化、担い手不足などが強調され、全体像がなかなか伝わってこない。だが、実態はどうなのか。筆者たちは2000年の頃から、中山間地域問題、特にその「自立」と「産業化」に関心を抱き、農山村地域の農業およびその周辺を訪ね歩いてきた。そして、そのような場への訪問を重ねるうちに、そこに広く展開する「農産物直売所」「農産物加工所」「農村レストラン」は、戦後強固に組み立てられてきた日本の農政、さらには農協を頂点とする農業の仕組みに対する、女性たちによる「自立」への営みであったことを知る。戦後の日本の農村地域では、女性の地位の向上や栄養改善を目指して「生活改善グループ」が形成され、漬物や味噌づくりなどの農産物加工が推進されてきた。ただし、少し前まではそれらを販売していく手段に乏しく、近所におすそ分けする程度で終わっていた。だが、現在は事情が大きく変わってきた。まず農産物直売所が広く展開し、また宅配便が普及することにより、女性たちが新たな可能性を手にすることができた点、さらに、農村女性たちの「手作りの食」に対する関心が大きなものになっている点が注目に値する。彼女たちは加工、直売、食事の提供などの実践を通して、「安心、安全」にこだわり、材料を大切に扱い、私たちに「信頼」と「感動」を手渡してくれている。それは、都市と農村の新たな交流の可能性を示し、信頼を失いつつある「農」と「食」の世界に「未来」を切り開いているといえる。「農産物直売所」「農産物加工所」「農村レストラン」は、中山間地域や農山村地域ばかりでなく、日本社会全体の明日に深く希望を与えるものになっているのである。
(編者 関 満博)

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