人口減少、高齢化、過疎等の困難に直面し続けてきた中山間地域の集落の「反発のエネルギー」に学ぶ!

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関連ワード
「村」の集落ビジネス
タイトル
サブタイトル
中山間地域の「自立」と「産業化」
著者・編者・訳者
関満博・松永桂子編
発行年月日
2010年 7月 29日
定価
2,750円
ISBN
ISBN978-4-7948-0842-4 
判型
四六判並製
頁数
218ページ

著者・編者・訳者紹介

編者-関満博(せき・みつひろ)
1948年生まれ。
一橋大学大学院商学研究科教授。
『地域産業の「現場」を行く』(既刊1〜3集)、『「農」と「食」の農商工連携』他。
松永桂子(まつなが・けいこ)
1975年生まれ。
島根県立大学総合政策学部准教授。
共著『「縮小」時代の産業集積』(創風社)、共編著『農産物直売所/それは地域との「出会いの場」』他。

内 容

 2007年の頃から地方間の格差が注目を集め始め、「中山間地域」「限界集落」などの専門用語が、新聞の見出しにも使われるようになってきた。各地で人口減少、高齢化が進み、耕作放棄地が増え、伝統的な集落の力が弱まり、国土保全の側面からも中山間地域の「自立」と「活性化」が問われ始めている。だが、中山間地域の集落に実際に踏み込むと、意外な明るさに驚かされる。
 集落営農や農事法人化が進み、また農産物直売所、小さな「加工」、農村レストランなどが取り組まれ、人びとが活き活きと動き回っている。中山間地域の集落は、意外な力強さを内包していることに気づくことになる。むしろ、工場やオフィスで働く人びとや、スーパーで黙々とカゴに品物を投げ込んでいる都会の人びとの疲れ切った暗い表情とは対照的に、そのような「場」で活き活きと活動している中山間地域の人びとの表情は輝いており、「未来」に向かっているように見える。これらは、日本の産業社会が大きな転換の時期を迎えている現在、事態がいわば究極まで進んでいる中山間地域の集落において新たな反発のエネルギーが生じ、「地域の活性化」を願って人びとが動きだしてきたことを象徴するのであろう。日本が中山間地域の集落から変わっていくことが期待される。
 私たちが採り上げたいずれの集落においても、人びとは「希望」を抱き、「自立」を胸に、「未来」に向かっているように見えた。また、そのような集落には若者たちの姿も現れ始めていることも興味深い。彼ら/彼女らは中山間地域の集落の「自立」に向けた取り組みに「未来」を見ているのであろう。中山間地域の集落ビジネスと、その「自立」と「産業化」への可能性については、ようやく光があてられ始めたばかりである。高齢社会に向かう日本にとって、中山間地域の「集落」は、私たちの「未来」を先取りしているのである。(編者 関 満博)

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