市街地も水産施設も全て失った宮城県南三陸町で、暮らしと仕事の再生に挑む人びとの活力に、条件不利地域の新たなモデルを見出す

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タイトル
震災復興と地域産業5
サブタイトル
小さな“まち”の未来を映す「南三陸モデル」
著者・編者・訳者
関満博・松永桂子著
発行年月日
2014年 3月 6日
定価
3,024円
ISBN
ISBN978-4-7948-0963-6 
判型
四六判並製
頁数
288ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-関満博(せき・みつひろ)-
1948年生まれ。
明星大学経済学部教授、一橋大学名誉教授。博士(経済学)。
『東日本大震災と地域産業復興』Ⅰ『鹿児島地域産業の未来』他。
松永桂子(まつなが・けいこ)
1975年生まれ。
大阪市立大学大学院創造都市研究科准教授。
博士(経済学)。
『創造的地域社会』他。

内 容

 東日本大震災で発生した大津波は、東北地方の沿岸に甚大な被害を及ぼした。被災した人びとは自分の「地域」の復旧・復興を願い、再びそこで暮らしていける日のくることを思い、避難先での生活を耐え忍んでいる。被災から三年を経過した現在でも、約28万の人びとが仮設住宅や借上住宅に避難している。
 東日本沿岸の市町村はいずれも大津波に襲われたが、特に、リアス式海岸を擁する小さなまちである山田町、大槌町、陸前高田市、南三陸町、女川町などは、湾岸の市街地を全て流失させた。死者・行方不明者の数も比率も極めて大きい。また、基幹産業はいずれも漁業、水産加工業であり、湾岸にあったこれらの施設も全て流失していった。それらの中から、本書では宮城県南三陸町に注目していく。
 南三陸町は人口約1万7000人の三陸の小さな町だが、分水嶺に取り囲まれ、全ての河川が湾に注ぎ、一つのまとまりのある地域を形成していた。豊かな中山間地域が河川を通じて栄養分を送り込み、湾内の養殖漁業を支えていた。三陸全体の養殖漁業が発展した1960年代以降、その先頭に立ち、ワカメ、カキ、ホタテ、ホヤ、ギンザケなどの代表的な魚介・海藻類を産出する三陸の典型的な小さなまちであった。被災したまちの復旧・復興については、語られるべき点は限りなく多い。そのような問題群の中から、本書はとりわけ「地域産業」の復旧・復興に光を当てていく。
 人びとが暮らしを立て、地域社会を維持していく上では、働き、仕事をしていくことの意味は大きい。素晴らしい水産資源をベースにしてきた南三陸の小さな“まち”が、復旧・復興の過程を通じて、どのような地域産業社会を形成していくのか。南三陸町の取り組みは、人口減少・高齢化に悩む全国の条件不利地域の今後に大きな示唆を与えることにもなろう。
(著者 関 満博)

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