「3.11以降の世界」を先取りしていたかにみえる条件不利地域の取り組みに、新たな経済社会・生活のモデルを看取

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タイトル
地域産業の「現場」を行く 第5集 地域の「自立」と「輝き」
サブタイトル
誇りと希望と勇気の30話
著者・編者・訳者
関満博著
発行年月日
2011年 10月 24日
定価
2,592円
ISBN
ISBN978-4-7948-0885-1 
判型
四六判並製
頁数
288ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-関満博(せき・みつひろ)-
1948年生まれ。
明星大学経済学部教授、一橋大学大学名誉教授(経済学)。博士(経済学)。
『「農」と「食」の農商工連携』『「村」の集落ビジネス』『道の駅/地域産業振興と交流の拠点』『深?テクノセンター』『「交流の時」を迎える中越国境地域』など編著書多数。

内 容

 本シリーズは2008年3月に『第1集』を発刊以来、今年2月刊の『第4集』まで各集30話ずつ、日本と中国の地域産業の「現場」から計120話をお届けしてきた。『第4集』刊行後、これらに続く30話の舞台となる「現場」を巡っていた時期、2011年3月11日に「東日本大震災」に遭遇する。その時、私は岩手県釜石市の湾岸に近いホテルの2階にいた。大きな揺れが数分続き、津波の予感がした。ただちに表に出て高台を目指した。三十数分後、巨大津波が押し寄せてきた。本シリーズではこれまで、中山間地域をはじめとする条件不利地域の「現場」に暮らす人びとによる、地域資源をベースにした新たな産業化、自立的な「価値」の創造に注目してきた。3・11以降の世界は、すでに日本の辺境の地というべきそうした地域で目指されていたようにみえる。歴史的な意味を帯びた2011年という年の終盤に刊行されるこの『第5集』、本来ならば震災とその復旧・復興の「現場」を報告すべきなのだが、それは別の形で近々“緊急出版”させていただくことにして、今回は右に述べたように「3・11以降の世界を先取りしていたかにみえる」日本各地の取り組みを採り上げ、そこにはらまれている私たちの「未来」というべきものを注視していくことにする。大きな転換が予感される現在、すでに中山間地域、農山漁村の地域産業の「現場」では、「未来」を指し示す取り組みが重ねられてきているのである。成熟し、人口減少、高齢化に向かうわが日本は、「20世紀後半型経済発展モデル」からの飛躍が求められているが、実は「辺境の地」と思われていた条件不利の中山間地域、あるいは水産業地域、さらに離島などで、すでに新たな「価値」を生み出し「自立」へと向かう取り組みが進められていたのかもしれない。震災・津波により被災した三陸沿岸とこれら全国の条件不利地域には、共通する人びとの「思い」が拡がっているようにみえる。新たな日本の経済社会、そして新たな生活のモデルが、そのような条件不利地域で静かに深められ、人びとは「輝き」を増しているのである。
(著者 関 満博)

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