「施設」から「住宅」へ、さらに「地域」へ!「地域居住継続」への先進的取り組みと課題を詳細報告

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タイトル
デンマークの高齢者福祉と地域居住
サブタイトル
最期まで住み切る住宅力・ケア力・地域力
著者・編者・訳者
松岡洋子著
発行年月日
2005年 10月 6日
定価
3,456円
ISBN
ISBN4-7948-0676-0 
判型
四六判上製
頁数
384ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-松岡洋子(まつおか・ようこ)
デンマーク高齢者福祉研究家。
1955年兵庫県生まれ。
1997年、脱施設の新局面にあるデンマークに暮らしたことをきっかけに、高齢者居住とケアの研究を始める。
社会福祉学修士。
著書に『老人ホームを超えて』(かもがわ出版、2001年)など。

内 容


 1988年、デンマークでは高齢者施設「プライエム」の建設禁止に踏み切った。大胆な政策が成功したのは、それ以前に、高齢者向け公営住宅の蓄積、24時間在宅ケアの整備、施設機能の地域への開放が戦略的に進められていたからである。住宅、ケア、地域で構成されるこれら「三種の神器」は、「住宅に住みながら最期まで地域で生き切る(地域居住)」には何が必要か?という今日的課題に対して、有用な視座を拓いてくれる。
 そこで本書では、高齢者住宅の地域での面的分散、分刻みの在宅24時間ケア、地域福祉について、現地を歩き、歴史を遡って、デンマークの最新の「地域居住」の実像と真相に迫る。そこで私は、デンマーク民主主義に根ざす公営住宅政策や、医療と福祉が融合した人中心主義のケア体系が岩盤のように横たわっていることに行き着いた。一方で留意すべきは、中道右派連立政権の下小さな政府と持続可能な福祉が求められ、民活の推進、サービス量の抑制や合理化、インフォーマルケアへの依存などが見られる点である。とはいえ、こうした中でも「地域居住」が比較的よく機能しているのは、民主主義の歴史や自立支援に向けての価値観共有が大きく力を貸していることにも気付いた。
 日本は今、改正介護保険法の制度設計のただ中にあり、その方向性は施設依存から地域居住へと大きく舵が切られた。ユニットケアや宅老所などの内発的な取り組みや先進の試みが、制度を動かすほどの力動を持ち始めたことも事実である。しかし、住宅政策は地域居住を支えるものとなっているだろうか?ケアはどうか?また、われわれの自覚や地域への愛着はどうだろうか?本書を通じ、デンマークの知見を踏まえた発展的提言を行うことが、「域居住」をわれわれ自身の問題として考えるきっかけになることを願っている。本書は、デンマークで出会ったおじいさんの日常をつづったエッセイから始まる。


 目 次 

序章 バルデマーの死〜高齢者住宅で最後まで〜
第1章 デンマーク高齢者住宅の歴史

  1・プライエム増設から施設凍結へ
  2・施設凍結を可能にした3種の神器
  3・高齢者住宅の時代〜住いの一元化とケアの統合化〜
第2章 地域福祉のビジョン
  1・ヴィダゴーに見る地域福祉のビジョン
  2・新しく目ざしたもの
  3・フレデリクスベアコムーネにおける地域福祉の実際
第3章 デンマークの住宅政策
  1・デンマークの住宅政策と公営住宅
  2・高齢者福祉と住宅政策
第4章 デンマークの高齢者ケア政策
  1・ニーズ判定とケースマネジメント
  2・24時間どう支えるか
  3・在宅ターミナルの実際
  4・地域リハビリの考え方
第5章 新しいデンマークと地域居住
  1・新しいデンマーク
  2・民間導入の高齢者居住と施設の変容
  3・10年後の高齢者住宅とデンマークからの学び
終章 わたしたち日本のこれから


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