『国富論』出版250年記念:地代論破綻説を覆し価値動態論を再評価する唯一無二のスミス体系読解にして卓抜な経済思想書
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『国富論』出版250年記念:地代論破綻説を覆し価値動態論を再評価する唯一無二のスミス体系読解にして卓抜な経済思想書
- 関連ワード
- アダム・スミスの生産力論
- タイトル
- 著者・編者・訳者
- 星野彰男著
- 発行年月日
- 2026年 10月 23日
- 定価
- 3,080円
- ISBN
- ISBN978-4-7948-1322-0 C0033
- 判型
- 四六判並製
- 頁数
- 270ページ
著者・編者・訳者紹介
著者-星野彰男(ほしの・あきお)
関東学院大学名誉教授。博士(社会学)。
45年にわたり同大学経済学部で経済思想史・経済学史等を担当。2014年瑞宝中綬章受章。
主著『アダム・スミスの思想像』(新評論、1976年)、『アダム・スミスの動態理論』(関東学院大学出版会、2018年)など。
関東学院大学名誉教授。博士(社会学)。
45年にわたり同大学経済学部で経済思想史・経済学史等を担当。2014年瑞宝中綬章受章。
主著『アダム・スミスの思想像』(新評論、1976年)、『アダム・スミスの動態理論』(関東学院大学出版会、2018年)など。
内容
私見では『国富論』の二大論点は地代論と動態論にある。同地代論は長らく破綻視されたが、近年なし崩し的に同破綻説は消滅しつつある。今時それを言えば、大顰蹙を買うような空気感だ。これが解決すれば、自ずと『国富論』の価値論は整合化するから、その価値動態論が注目されるはずだが、未だそうなっていない。動態論をこのように理解しているのは一連の拙著だけである。私はこれを主題としてすでに三著(2002‐18)を刊行したが、今回、新評論から四著目を上梓する。同じく新評論から出した(件の三著以前の)二作品(初の単著と第二作)は主にスミスの道徳論を主題としたもので、スミス体系完結説を採った第一作(1976)は同門の先輩から酷評された。それは多分、当時の学界の空気を代弁した反応だったのだろう。しかし今はそれが逆転している。
当時はマルクスが未刊の「草稿」で披瀝した『国富論』地代論破綻説が通説だったが、それはスターリン主義下で同「草稿」が「『資本論』第四巻」と偽称されたからだ。しかしその偽称は本国版『マルクス=エンゲルス全集(略称MEGA)』(1977‐)で断りなしに削除された。多分、当の偽称はスターリン批判(1956)によって解消されたと言いたいのだろう。先の拙著への酷評は梯子を外された形になり、それは学界総体にも当てはまる。ただその削除の件を誰も言わない。しかし自ずと気付かれてその空気が広がり、先の偽称に暗に従った近代経済学側もその空気感の変化を察知して、通説離れを起こしたと思われる。その理由はともかく、結果的にはこれは大いに歓迎すべきことだ。『国富論』の地代論が破綻していないのならば、その価値論体系は一貫する。しかも『国富論』は生産力による価値増加を説くから価値動態論になるが、同説を提起して来たのは拙著だけであり、本作はその完結版になる。この発想は恩師・高島善哉の説(〔1949‐50〕1995)に由来し、先生はそれをマルクス理解に応用したが、私見は『国富論』理解にそれを適用する。
(ほしの・あきお)
当時はマルクスが未刊の「草稿」で披瀝した『国富論』地代論破綻説が通説だったが、それはスターリン主義下で同「草稿」が「『資本論』第四巻」と偽称されたからだ。しかしその偽称は本国版『マルクス=エンゲルス全集(略称MEGA)』(1977‐)で断りなしに削除された。多分、当の偽称はスターリン批判(1956)によって解消されたと言いたいのだろう。先の拙著への酷評は梯子を外された形になり、それは学界総体にも当てはまる。ただその削除の件を誰も言わない。しかし自ずと気付かれてその空気が広がり、先の偽称に暗に従った近代経済学側もその空気感の変化を察知して、通説離れを起こしたと思われる。その理由はともかく、結果的にはこれは大いに歓迎すべきことだ。『国富論』の地代論が破綻していないのならば、その価値論体系は一貫する。しかも『国富論』は生産力による価値増加を説くから価値動態論になるが、同説を提起して来たのは拙著だけであり、本作はその完結版になる。この発想は恩師・高島善哉の説(〔1949‐50〕1995)に由来し、先生はそれをマルクス理解に応用したが、私見は『国富論』理解にそれを適用する。
(ほしの・あきお)
