その造形で世界中の人々を魅了する南米先住民のユニークな祭礼文化を詳説した初めての和書!
祭の息吹を伝える貴重な写真約50点収録

978-4-7948-1067-0

ネット書店で注文

その造形で世界中の人々を魅了する南米先住民のユニークな祭礼文化を詳説した初めての和書!
祭の息吹を伝える貴重な写真約50点収録

関連ワード
ハイン 地の果ての祭典
タイトル
サブタイトル
南米フエゴ諸島先住民セルクナムの生と死
著者・編者・訳者
アン・チャップマン著
 
大川豪司 訳
発行年月日
2017年 4月 21日
定価
3,300円
ISBN
ISBN978-4-7948-1067-0 C0039
判型
A5判上製
頁数
280ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-Anne CHAPMAN(アン・チャップマン)(1922-2010)-
アメリカの人類学者。
生き残っていたわずかなセルクナムと親交をむすび、生涯を通じてフエゴ島民の社会・文化を研究した。
訳者-大川豪司(おおかわ・たけし)-
1961年生まれ。
国際基督教大学卒。
現在、英語の学習塾講師。

内容

 尖った円錐形の仮面、裸身を覆う大胆な模様、不思議なポーズ─。人類学者M・グシンデが1923年に撮影した一連の写真を初めて見る人は、古いSF映画の一場面か、またはボディペインティング・アートかと思うかもしれない。実はこれは、セルクナムという部族が脈々と続けてきた祭典「ハイン」の扮装のひとつなのだ。
 セルクナム族と呼ばれる人々は、南米大陸の南端に点在するフエゴ諸島(ティエラ・デル・フエゴ)に住んでいた。そこは人間が定住した最も南の土地、「地の果て」だった。この地域には四つの異なる部族が暮らしていたが、セルクナムはそのなかでも最大のグループだった。
 主島のフエゴ島とそこに住む人々の存在は、1520年、マゼランの世界周航によって初めて西洋社会に知られた。以後多くの者がこの地を訪れる。「海賊」ドレーク、キャプテン・クック、ダーウィンを乗せたビーグル号、貿易船やアザラシ猟の船、金鉱探索者、キリスト教の伝道師たち、牧場経営者たち─。島民との間に様々な軋轢が生まれ、やがて19世紀末に至ってフエゴ島は生き地獄と化す。公然と大虐殺が行われ、伝道所に強制収容された人たちの間に伝染病が蔓延し、そこから生きて出た者はわずかだった。フエゴ島民は短期間のうちに絶滅への道を辿り、生粋のセルクナムは1999年に絶えた。
 多くの西洋人の目に、フエゴ島民の生活は「野蛮」で「惨め」で、自分たちの「文化的生活」とはかけ離れたものと映った。酷寒の地で裸同然で暮らす人々のなかには、拉致され、見せ物にされた者も多くいた。だが、彼らは世界のどこにも似たものの無い独自の文化をもっていた。部外者にはほとんど明かされることのなかった祭典「ハイン」はその白眉だ。本書は、この驚くべき祭典の姿を、残された記録や往時を知る数少ない人たちの証言から丹念に描き出し、「消えた」部族の姿を生き生きと伝えている。
(編集部)

目次

ハイン 地の果ての祭典◎目次


はじめに 14


Ⅰ│セルクナムの神話 19
  ハイン、この「偉大なる祭典」は何のためか 20
  母権制および女たちのハイン崩壊の神話 22
  最初の男のハインと父権制の起源の神話 28
  ハインの秘密 29


Ⅱ│セルクナムの社会 35
  かつての暮らし 36
  なぜ滅びたのか 44
  慣習としてのハイン 47


Ⅲ│三人の中心人物 51
  テネネスク 53
  ハリミンク 59
  グシンデ 63


Ⅳ│ハイン 83

 身体彩色の技巧──日常生活用とハインの「精霊」用 84
 女子の成人儀礼 89

 ハインが始まる 90
  ❖通過儀礼 97
  ❖狩りの訓練 111

ハインの精霊たちと登場の場面 112
  ❖1 ショールト 112
   ▼七人の主要なショールトとハイン小屋の柱 115
   ▼下位のショールトたち 127
   ▼ショールト=太陽が通る道の象徴 127
   ▼ショールトが宿営地へ行き女たちに嫌がらせをする 133
   ▼美しいショールトたち 137
   ▼第一の仮説──ショールトは、男たちの「英雄」、「太陽」だ 138
  ❖2 オルム──命を呼び戻す者 142
  ❖3 ハイラン──淫らで不快な道化師 143
  ❖4 ハシェとワクス──騒動を起こす者 148
  ❖5 ワアシュ・ヘウワン──目に見えぬ狐 150
  ❖6 サルペン 150
   ▼サルペンの扇情的な場面 153
   ▼サルペンの死と出産の場面 156
   ▼第二の仮説──古代母権制の長、「月」の象徴としてのサルペン 159
  ❖7 クテルネン──サルペンの赤ん坊 160
  ❖8 ハラハチェス──角のある道化師 164
  ❖9 マタン──バレエダンサー 170
  ❖10 コシュメンク──寝取られ亭全 173
  ❖11 クラン──ひどい女(ラ・ファム・テリブル) 179
  ❖12 ウレン──優雅ないたずら者 182
  ❖13 タヌ──謎の精霊 184

 遊戯、踊りとその他の儀式 187
  ❖1 タヌの主催になる若い恋人たちの遊戯 187
  ❖2 男と女が競う遊戯 189
  ❖3 女たちの復讐遊戯 190
  ❖4 クルプシュ、あるいはペンギン踊り 192
  ❖5 いわゆる「ヘビ踊り」 193
  ❖6 男根の儀式 198
  ❖7 好天をもたらす儀式 204
  ❖8 アシカの物真似 206
  ❖9 ケワニクスの行進 207
  ❖10 女性限定 225
   ▼女たちが通過儀礼を風刺する 225
   ▼母親たちが息子の真似をして遊ぶ 226

最後の仮説──秘密は誰のものだったのか 229


Ⅴ│その後のこと 233


原注 248
文献一覧 259
献辞 262
図版出典一覧 263
解説 264
訳者あとがき 270
ハインの詠唱の曲目一覧 vi
索引 i

関連ページ

好評既刊書

, , , , , , ,