人々の生活の場・地域・文化に基礎を置く「もうひとつの地球村」を構築するために

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関連ワード
下からのグローバリゼーション
タイトル
サブタイトル
「もうひとつの地球村」は可能だ
著者・編者・訳者
片岡幸彦・木村宏恒・松本祥志編
発行年月日
2006年 2月 8日
定価
3,080円
ISBN
ISBN4-7948-0670-1 
判型
A5判上製
頁数
280ページ

著者・編者・訳者紹介

編者-
片岡幸彦
羽衣国際大学副学長退職後、
現在国立ベトナム大学客員教授。
異文化関係論専攻。

木村宏恒
名古屋大学大学院国際開発研究科教授。
開発政治学、国際政治学専攻。
松本祥志 札幌学院大学教授。
国際法、アフリカ法専攻。

内 容



 アメリカに主導されたグローバリゼーションの波がアメリカの単独行動主義と結びつき、それに反発するテロリズムが今世紀はじめの世界の特徴として浮かび上がってきている。こうした両極端のなかで、人々の日常性・生活に基礎を置き、コミュニティに基礎を置き、地域に基礎を置きながら、グローバリゼーションの時代の枠組みのなかで、主体的に、したたかに生きるための、生活の場・地域に発する社会・政治・経済・文化のあるべき姿を探る。それが本書の執筆者たちの意図である。
 「もうひとつの地球村」とは、世界の農村および都市において、ローカルの各地で起こっている地域おこしを原点に、「下からのグローバリゼーション」を模索するキーワードである。「もうひとつの地球村」のコミュニティは、開発途上国でもますます都市化が進んできていることに鑑み、都市を含めて考える。また、今日のコミュニティは、町内会・自治会のような地縁的結びつきだけではなく、NGO/NPO(非政府組織/非営利組織)の台頭によってより大きく特徴付けられる。さらに、世界的な地方分権の流れのなかで、コミュニティ・地域の運営は「非政府組織と地方政府の協働による相乗効果=シナジー(NGO-GO Synergy)」という形で、地方政府や地域の企業をも参加者として引き入れるものになっており、また、地方政府も世界的な政府の財政難のなかで、市民諸団体との協働による統治(協治)という方向に動いている点を組み込んで、本書は展開されている。
 そのような「もうひとつの地球村」を構築するにあたって柱となるものが文化である。「多様な文化・文明の共存でこそ地球村はよみがえる」という発想で、「もうひとつの地球村」の文化論を展開できないかという模索である。ナイジェリアの慣習法を組み込んだ多元的裁判制度や、カリブ世界におけるヨーロッパ、アフリカ系、インド系、中国系が混交する社会での「日常を異化し(外に出ることで)、再び回帰することによって日常を客観化する」といった議論は、そうした試みの例である。

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