多様な特色と魅力に溢れる南米10カ国の社会と文化を豊富な出会いの中で活写する

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タイトル
ラテンアメリカ探訪10カ国
サブタイトル
豊穣と貧困の世界
著者・編者・訳者
鈴木孝壽著
発行年月日
1999年 7月 25日
定価
2,700円
ISBN
ISBN4-7948-0462-8 
判型
四六判上製
頁数
260ページ

内 容

 ラテンアメリカには、興味深い国々が実に多いのだが、残念ながら日本からは遠すぎる。日本人にとってのラテンアメリカは大国であるブラジル、メキシコなどに限られているようだ。だが、馴染みの薄い小粒な国々にも社会や文化の面で興味つきない話題が多い。例えば、ウルグァイでは、意外にも女性の権利が世界最高に保障されているし、チリは話題の左翼勢力を徹底弾圧した独裁者ピノチェト将軍がいるが、この国は実に繊細な感受性をもったノーベル文学賞詩人を二人も生んでいる。
 ラテンアメリカには、想像を絶するほどにスケールが大きい国があれば、モノカルチュアそのもので、自分の力だけではどうにもならない小さな国もある。絶望的なまでの貧困さ一色だと思えば、途方もない富の蓄積の下で眼を輝かしている人々もいる。すべては対比、対立、対極。貧困と豊穣の世界というにふさわしい。
 そして、ラテンアメリカは「びっくり箱」だ。なにが現われるか、なにが起こるか見当もつかない。物凄いエネルギーをまき散らしながら絶えず動いている。教育水準はいまだに低いというものの、テレビを通して世界の改革、進歩、発展の潮流は時々刻々人々の頭に着実に投影されている。人々は何かを突き破りたい、変わりたいと張りつめた状態であることは確かである。まさに発酵しつつあるといってよい。
 今回は大小さまざまな南米10カ国について、均等にスペースを割いて社会、文化に滲み出ている特徴を洗い出してみた。奇抜で、あっけにとられることも実に多い。ラテンアメリカは好奇心のはずむ対象であることには間違いない。
 筆者は、若い時代に企業の駐在員として長い間、南米ペルーはじめラテンアメリカ諸国を巡り歩き生活した。よく言われることだが、最初に海外生活を過ごした国が、人生の上で最も印象に残る国といってよいし、また関心を持ち続ける国でもある。この本に、これまでの見聞や知識を盛り込んで、ラテンアメリカ・ファンづくりに役立てたいと願っている。
(すずき・こうじゅ)

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