みそひともじに細やかな情をのせてやりとりした古のまごころと文学的素養を、著者による味わい深い版画・ペン画とともに辿る

978-4-7948-1039-7

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みそひともじに細やかな情をのせてやりとりした古のまごころと文学的素養を、著者による味わい深い版画・ペン画とともに辿る

関連ワード
タイトル
版画でたどる万葉さんぽ
サブタイトル
恋と祈りの風景
著者・編者・訳者
宇治敏彦著
発行年月日
2016年 6月 3日
定価
1,944円
ISBN
ISBN978-4-7948-1039-7 C0092
判型
四六判並製
頁数
216(カラー64)ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-宇治敏彦(うじ・としひこ)
1937年大阪生まれ。
東京新聞論説主幹などを経て中日新聞社専務(東京新聞代表)などを歴任。
現在、相談役。約40年にわたり万葉集に取材した木版画を制作している万葉版画家でもある。
生活情報紙『暮らすめいと』に「万葉のこころ」を連載中。
『政の言葉から読み解く戦後70年』など著書多数。

内容

 「万葉ブーム」ではないかと思うほど、書店には万葉集関連の本がたくさん並んでいます。小倉百人一首をテーマにした末次由紀さんの大ヒットコミック『ちはやふる』や、JR東海のCMポスター「うましうるわし奈良」の影響でしょうか。あるいは、テロ、殺人、貧困、格差拡大など、現代社会があまりにも殺伐としているので、人々が心の安らぎ、癒しをいにしえに求めているのかもしれません。
 本書は、約4500首が収録された日本最古の国民歌集『万葉集』を、歌に材を取った版画・ペン画とともにひもといてみようという試みです。
 万葉を代表する女流歌人・額田王ぬかたのおおきみは、大海人皇子おおあまのみこ(のちの天武天皇)と別れて、その兄・天智天皇の後宮に入りましたが、こんな歌を残しています。
 君待つと わが恋ひをれば わが屋戸やどすだれ動かし秋の風吹く
 「簾が動くのを見て貴方かと思えば秋の風でした」と、天智天皇の訪問が減ったのを嘆いた歌です。万葉集ではこの歌の次に、額田王の姉という説のある鏡王女かがみのおほきみによるこんな一首が載っています。
 風をだに恋ふるはとも
 風をだにむとし待たば何か嘆かむ「風にしろ恋しく思うのは羨ましいかぎりよ。私のところへは風さえ来ないのですから」と、額田王を慰めているのです。
 こうした細やかな情の表現が、歌を通して千数百年前に行われていたことにびっくりします。それが高貴な人々だけでなく一般市民に至るまで共通していたのも、大和民族の文学的素養の高さを証明しています。
 本書では、「恋」「祈り」「潤い」「花香」「古都賛歌」の5章に分けてできるだけ多くの歌を紹介します。エピソードも織り込んだ「万葉さんぽ」に、みなさまのご来訪を心からお待ちしています。
(うじ・としひこ)

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