経済・国家・社会・文化の「崩壊」を与件として直視し、現代社会の病理を再考することで未来の生をたぐりよせるパワフルな文明論。

978-4-7948-1023-6

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経済・国家・社会・文化の「崩壊」を与件として直視し、現代社会の病理を再考することで未来の生をたぐりよせるパワフルな文明論。

関連ワード
タイトル
崩壊5段階説
サブタイトル
生き残る者の知恵
著者・編者・訳者
ドミートリー・オルロフ著/大谷正幸訳
発行年月日
2015年 12月 2日
定価
5,400円
ISBN
ISBN978-4-7948-1023-6 C0036
判型
四六判上製
頁数
552ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-Dmitry ORLOV
1962年、旧ソビエト(旧レニングラード)生まれ。12歳でアメリカに移住。応用言語学の修士号を持つソフトウェア・エンジニア、作家。ピークオイル論者として知られ、ブログClubOrlovはしばしば各国語に翻訳されて再配信される。著書に『Reinventing Collapse』など。

内容

著者は、崩壊した旧ソビエトとアメリカの特徴を比較分析し、アメリカの崩壊を予見した論考で頭角を現した。本書では、崩壊の進展を五段階で分析し、生き残ることを望む者には段階ごとに異なる心構えの適応が要求されることを論じている。原著は二〇一三年三月に出版され、今年六月には中国語訳も上梓された。近現代とは、エネルギー利用技術の発展に裏打ちされた時代であり、今日の産業構造やライフスタイルは膨大なエネルギー供給を前提として成り立っている。そして今、世界が直面している危機の根っ子は、資源・エネルギーの供給が頭打ちになってしまったことにある。いずれエネルギー供給は減少の一途を辿ることになるが、この物理的な前提条件の変化から未来は演繹される。生産活動が縮小すると、①金融危機がさらに拡大し、掛け売りが滞って②商業へとダメージが広がる。徐々に課税基盤が棄損され、③政治の不如意からナショナリズムが呼び起こされる。専制と化し、苛斂誅求が闇経済の温床となる一方で、支配層は戦時体制の徴発から私腹を肥やすまでに腐敗し、人も国も疲弊し続ける。やがて、④社会の紐帯が綻んで、最終的には「人間らしさ」の喪失とも言える⑤文化の崩壊へとステージが進んでいく。金融と商業の崩壊に抗うことは悪あがきであり、その先の崩壊の進行を阻止することが私たちの課題だと著者は言う。もはや崩壊は与件だが、崩壊に備えることを通して、家族の健全な存続を拒み、メンタルヘルス対策を講じなければならないまでになった現代社会のおかしさを再考することになるだろう。本書は、ユーモアを交えながら、崩壊の時代を生きるうえで知恵となる多くの思索材料を供している。崩壊時に必要とされることは「大学やビジネススクールが教えていることとはまったく異なるスキル」なのだ。読後、正覚を得たかのように、「家族の再生」に光明を見いだすことだろう。
(おおたに・まさゆき)

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