人類はごみといかに関わり、共存・共生の道を開いてゆくか

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タイトル
人間とごみ
サブタイトル
ごみをめぐる歴史と文化、ヨーロッパの経験に学ぶ
著者・編者・訳者
カトリーヌ・ド・シルギー著
 
久松健一編、ルソー麻衣子訳
発行年月日
1999年 7月 31日
定価
3,024円
ISBN
ISBN4-7948-0456-3 
判型
A5判上製
頁数
350ページ

著者・編者・訳者紹介

編者-久松健一(ひさまつ・けんいち)/フランス文化・思想。

内 容

 ごみをいかに処理するか——これは人類誕生以来、これまで一度も有効な解決策に出会っていない、いわば永遠の難題である。しかも、この難題を生みだす端緒が、わたしたちの生活そのものから発生していることを知りながらも、これを避けることができないという極めて厄介な性質をもっている。
 人類が定住生活をはじめた太古の昔から、ごみをどう処分し、いかにして快適な空間を確保するかという問題に人びとは頭を悩ませ続けた。たしかに、かつては自分たちの生活空間からごみを遠ざけることでなんとかその場をしのぐことができた。地球規模での「環境破壊」が問題になるほど深刻な事態を招いてはいなかった。しかし、爆発的な人口増に直面し、経済発展という旗印のもと功利性と利便性を追いつづけ、工業の世界化にどっぷりと漬かった人類は廃棄物に翻弄されている。処分が容易ではない容器類の氾濫、ダイオキシン等化学物質による環境汚染、環境ホルモンの脅威など、人類とごみの戦いは日に日に深刻の度を深めている。そうしたごみと人間との有り様を中世からひもとき、現代人が抱えているごみをめぐる諸問題を「ごみは資源である」とする観点から人と共存・共生する対象としてとらえ直し、人間とごみとの未来を見つめなおそうとするのが本書である。
 人の生活にごみはかならずついてまわる。そのごみと敵対し、自分の生活空間の外側へ追いやることは簡単だが、そうした「ごみ=害悪」とする姿勢がここまで深刻なごみ問題を発生させたのではないか。ごみ減らしを意識化していく一方で、ごみをいかにして生活のなかで再活性化していくのか。燃やし、捨て、埋めるという「負の思考」ではなく、たとえば、エネルギー資源としての再利用や芸術の素材として、ときには、子供たちの遊戯の道具を作る材料として、ごみをプラスの視点でとらえ直してみる。著者カトリーヌ・ド・シルギーは、ごみと共生する未来の人類の有り様を、ごみと人間との過去の歴史をさかのぼることで逆照射していく。
 日本語版には、巻末に「地球人のためのゴミ百科」を付した。ごみを複眼で見つめるための歴史的、文化的な背景をまとめたつもりである。21世紀、ごみを再活性化し、それを生かす人類しか生き残ることはできない。

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