現代デンマークを代表する知識人の一人である著者が、教育改革者グルントヴィの「政治思想家」としての側面に光をあてる意欲作。

978-4-7948-1027-4

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現代デンマークを代表する知識人の一人である著者が、教育改革者グルントヴィの「政治思想家」としての側面に光をあてる意欲作。

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タイトル
政治思想家としてのグルントヴィ
著者・編者・訳者
オヴェ・コースゴー著/清水満訳
発行年月日
2016年 1月 22日
定価
2,700円
ISBN
ISBN978-4-7948-1027-4 C0031
判型
四六判並製
頁数
276ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-Ove KORSGAARD(オヴェ・コースゴー)
1942年生まれ。オーフス大学名誉教授。ホイスコーレ校長なども務める。著書に『光を求めて デンマークの成人教育500年の歴史』(川崎一彦・高倉尚子訳、東海大学出版会、1999年)など。

内容

現代デンマークを代表する知識人の一人である著者が、教育改革者グルントヴィの「政治思想家」としての側面に光をあてる意欲作。
デンマークの教育改革者・思想家グルントヴィについては、戦前から日本にも紹介はされていたが、近年では拙著『新版 生のための学校』(新評論、一九九七年)やハル・コック著『グルントヴィ』(小池直人訳、風媒社、二○○七年)などによって、より詳しくその重要性が認識されるようになった。しかしその場合も、彼のアイディアによるフォルケホイスコーレ(民衆の高等教育学校)運動を中心とした教育への貢献が主に語られた。それ以外では、デンマーク文学史における詩の業績が言及されるくらいである。これは本国においても同様で、グルントヴィは何よりも詩人、教育思想家、歴史家、教会改革者であるという位置づけがなされてきた。現代デンマークを代表する知識人の一人であるオヴェ・コースゴーは、グルントヴィのこれまであまり顧みられなかった面に光をあてている。本書はつまり、彼を「政治思想家」として捉えたものである。たしかにいわれてみれば当然のことで、近代デンマークの国民・国家形成はグルントヴィと彼の影響を受けた人々、とくにホイスコーレ運動に参加した知識人、民衆によってなされた事業である。グルントヴィは、体系的なドイツ観念論思想に大いに学びながらも、それを批判するために、あえて体系的な思想を構築しなかった。その意味ではポストモダンな思想家である。こうしたグルントヴィの多様なテキストを渉猟し、あちこちに散らばって示されている彼の政治思想を整理した上で、明快にまとめ上げるその技量はコースゴーならではといえる。しかも恣意的な解釈でないことを示すために、第二部にはグルントヴィ自身のテキストも収載している。これを読めば、デンマークがなぜ今日のような民主的な国家となったかの理由の一端がわかるだろう。
(しみず・みつる)

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