世界同時不況から脱出するための決定打は金融緩和政策なのか? 国債と財政出動を斬新な視点から解明、真の解決策を探る野心作。

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タイトル
日本国債のパラドックスと財政出動の経済学
サブタイトル
ワルラス法則を基盤とする新たな経済学に向けて
著者・編者・訳者
向井文雄著
発行年月日
2013年 10月 8日
定価
2,700円
ISBN
ISBN978-4-7948-0956-8 
判型
四六判並製
頁数
272ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-向井文雄(むかい・ふみお)-
1951年生まれ。東北大学卒。
(財)北陸経済研究所情報開発部長、富山県職員研修所長等を経て、現在富山県民ボランティア総合支援センター専務理事、富山県立大学非常勤講師。
著書『「重不況」の経済学 日本の新たな成長に向けて』(2010年)など。

内 容

 2008年9月に発生したリーマン・ショックとその後の世界同時不況は、現代経済学に強い衝撃を与えた。米国のC・ローマー大統領経済諮問委員会委員長(当時)は、就任直後の講演(2009年3月)で、1929年以降の大恐慌を引き合いに出し、「1933年から37年まで(ニューディール期)の経済成長は、戦時を除けば我々が経験したなかで最も高い成長だった」と述べた。そしてこの回復を可能とした決定的な政策は、ローマーやB・バーナンキらの研究を根拠に、財政出動ではなく金融緩和だったとする理解が通説とされてきた。しかし、今回のショックでは、バーナンキ自身が率いるFRB(連邦準備制度理事会)がこの「通説」に従って大規模な金融緩和政策を行ったにもかかわらず、十分な効果が現れていない。ショック発生から5年を経た現在、米国経済には一定の回復の兆しがみられるものの、そこに至る経過は、大恐慌時の回復とはまったく異なり、非常に緩慢である。これは、通説とは異なる別の回復要因が存在する可能性を示唆する。本書ではこうした観点から、重篤な不況から脱するための経済政策を再考する。まず第一部では、①大恐慌、②90年代以来の日本の長期停滞、③現在の世界同時不況という3つの大不況を、発生頻度が高く軽微な不況と区別して「重不況」と捉え、それを支配するメカニズムを、財政出動の再評価を行いながら見直す。第二部では、第一部を踏まえ、巨額の発行残高と毎年の発行額にもかかわらず、国債発行金利が世界最低水準に維持されている「日本国債のパラドックス」や、リーマン・ショック後のゼロ金利下で予想以上に高い財政乗数が計測され、マンデル=フレミング・モデルやリカード公債中立命題が働いていないようにみえる問題等を体系的に説明できる新しい観点を提案する(具体的にはワルラス法則を資金循環で捉える)。また、終章では、以上を踏まえて、現在の重不況からの脱出策を整理し、新たな経済学の素案を示したい。
(著者 向井 文雄)

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