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タイトル
偽窓(ぎそう)
著者・編者・訳者
レーナ・クルーン著
 
末延弘子訳
発行年月日
2010年 1月 15日
定価
1,944円
ISBN
ISBN978-4-7948-0825-7 
判型
四六判上製
頁数
216ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-Leena KROHN(レーナ・クルーン)
1947年生まれ。
現代フィンランド文学を代表する作家、哲学者、芸術家教授。
タイナロン』はアメリカで世界幻想文学大賞候補作に、『蜜蜂の館』は北欧閣僚評議会文学賞候補作に選ばれ、国内外で注目を集める。
訳者-末延弘子(すえのぶ・ひろこ)
フィンランド文学翻訳家。
フィンランド政府外国人翻訳家賞受賞。

内 容

 「あなたの虚実の問いに哲学者が手頃な価格でお答えします」
 ネットの掲示板に主人公の「私」はこう書いた。
 「私」はアイソレーションタンクでカウンセリングを行っている哲学者だ。外界からの感覚刺激を遮蔽した容器の中で、塩水に浮かびながら、一日のほとんどを過ごしている。このタンク生活は、高血圧の「私」を案じた医者が勧めたのがきっかけだった。耐えがたい睡眠発作も理由の一つかもしれない。ナルコレプシーという居眠り病のせいで、美術館の監視員のバイトはクビになり、大学は落第し、残像の実在についての論文も未完成のままに終わった。
 普段感じている重力から解放され、現実を断ち、睡眠と覚醒に揺れながら「私」は考える。最後に残るのは思考であり、イメージこそが現実であり、本当に在り続けるものは無なのだと。タンク内には窓がある。ただし本物の窓ではない。奇術師に描いてもらった絵だ。ルネサンスの画家マンテーニャの騙し窓のような円形天窓は、「私」の知覚すべてを疑わせ、思惟する自分を強く意識させる。
 そんな「私」のカウンセリングにやって来るクライアントは、筋トレに励む暗所恐怖症、他の人には見えない“余計なもの”が見えてしまうという夫人、人類全体を一つの多細胞組織だという覗き見趣味の親友、「私」の世界観に共振する秘密結社「ディバイダ」の連続殺人犯、「私」の遺伝子地図を売りつけるセールスマン、不死を求めてスマートドラッグに溺れる少年と、実にさまざまだ。彼らの現実も、「私」の夢も、主観的ではあるけれど、偽りではない。では、それらは何によってリアルとなり、何によって実在化するのか。そして、それらは定義できるのか。レーナ・クルーンがその認識の限界を問う。(訳者 末延 弘子)

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