車椅子バスケの選手たちの「日常」を通じ、身体の多様性に根ざす障害者スポーツの論理と競技観戦の「ものさし」を論じる意欲作!

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タイトル
障害者スポーツの臨界点
サブタイトル
車椅子バスケットボールの日常的実践から
著者・編者・訳者
渡正
 
(わたり・ただし)著
発行年月日
2012年 7月 27日
定価
3,456円
ISBN
ISBN978-4-7948-0909-4 
判型
四六判上製
頁数
360ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-渡正(わたり・ただし)-1979年札幌市生まれ。
徳山大学経済学部准教授。博士(学術)。専門はスポーツ社会学、障害者スポーツ論。車椅子バスケットボールチームへのフィールドワークを行ってきた。主な業績に、「パラリンピックの表象実践と儀礼的関心」(『スポーツ観戦学』)、「スポーツは社会の機能システムたりうるか?」などがある。

内 容

 2012年夏、ロンドンでオリンピック・パラリンピックが開催される。ロンドンでオリンピックが行われるのは1908年、1948年に続いて3回目だ。パラリンピックの前身となった大会の一つは、1948年の開会式と同日に行われており、障害者スポーツとしても記念すべき大会となる。本書は、障害者スポーツ全般を紹介する本ではない。そうしたことはすでに出版されている書籍に任せている。本書はむしろ、障害者スポーツのこれまでを振り返り、そしてまたそれを考えなおす本である。車椅子バスケットボールの日常的実践から、「障害者スポーツ」というものの限界を追求することを目指したものなのだ。当然のことながら本書には、何人かの車椅子バスケットボール選手が登場している。だが、彼らは多くの人びとにとってみれば無名の存在だ。有名選手は出てこない。しかし、それでよい。いわゆる「普通」の人びとのスポーツ活動の中から障害者スポーツについて考えることが重要だからだ。また、その方が、多くの選手の日常に近いだろう。彼らはどうやって練習場に来るのか。競技用の車椅子はどのように持ってきているのか。練習はどんなふうに行うのか。ゲームにはどんな特徴があるのか。自分の「障害」や「スポーツ」をどんなふうに考えているのか。「障害者スポーツ」というのは、その競技が成立する論理のなかに、「人間の身体は一人ひとり全く違う」という当たり前のことが組み込まれている。しかしこの「当たり前」は、これまでの健常者中心のスポーツではありえない考えである。身体の多様性を最も重要な要素として行われるスポーツが障害者スポーツである。そのため、それを見る私たちは、各選手の身体とその違いに注目するように促されることになるだろう。 私たちがスポーツを見て考えるときの新たな「ものさし」を、障害者スポーツは提供してくれている。パラリンピックをより深く楽しみ考えようとした時に、本書がそのきっかけとなれば幸いである。
(著者 渡 正)

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