波瀾に富んだ半生の機微を語りつくした決定版自叙伝!

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タイトル
ヴァグナーの女王
サブタイトル
キルステン・フラグスタート自伝
著者・編者・訳者
ルイ・ビアンコリー著
 
田村哲雄訳
発行年月日
2010年 2月 5日
定価
4,320円
ISBN
ISBN978-4-7948-0827-1 
判型
四六判上製
頁数
468ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-Louis BIANCOLLI(ルイ・ビアンコリー)
(1907〜92)
アメリカの音楽評論家。
1928〜66年、主にワールド・テレグラム紙とサン紙の音楽評論を担当。
1941〜49年、ニュー・ヨーク・フィルハーモニックのコンサート・プログラムの曲目解説を執筆。
本書のほかにMusic Dictionaryなどの著書がある。

内 容

 キルステン・フラグスタート(1895~1962)はヴァグナー歌いとしてよく知られているが、これまで彼女の伝記が日本で出版されたことはなかった。本書は『Flagstad Manuscript』(1952年)の翻訳であり、フラグスタート自身が生い立ちから1952年までの半生について語ったことを、アメリカの音楽評論家ルイ・ビアンコリー(1907~92)が一冊の自叙伝としてまとめたものである。彼女の人生は、歌手としても、一人の女性としても決して平坦ではなかった。若いころの声は、力強く朗々と響くものではなく、か細くて軽かった。ヴァグナーを歌うのは30歳代半ばからである。それまでは、オペラ(イタリア・オペラを含む)だけでなく、オペレッタ、さらに生活のためにミュージカルまで歌っていた。まさに、たたき上げの歌手だったのだ。彼女は、第二次世界大戦によって大きな影響を被った。1940年に祖国ノルウェーがナチスに占領されてから暗雲がたちこめ、中傷、夫の逮捕・死、演奏活動の妨害などによって、戦後に至るまで苦しむことになる。彼女はこれらの出来事について、自身の感想や考えなど思いのたけを語っているが、このあたりが本書を、有名歌手の自叙伝にとどまらない、波乱に富んだ女性の人生を描いた陰影のある読み物にしている。本書は、彼女の自画像とも言える。ここから感じられるその人となりは、喜び、悩み、怒り、恋をし、ユーモアもある、生き生きとしたごく普通の女性である。彼女の後継者と言われたビルギット・ニルソンはフラグスタートの印象を、その著書『ビルギット・ニルソン』(市原和子訳、春秋社、2008年)で次のように語っている。「シンプルで飾らない彼女は、ノルウェーの普通の女性そのもの」。本書を読んだあとで彼女の録音を聴くと、今までとは違って聴こえることだろう。
(訳者 田村 哲雄)

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