明暗の響きフォーレ研究の世界的な第一人者によって作品と人物像を紹介する決定版。初公開写真、家系図、年譜形式の作品表、譜例、項目別邦訳版オリジナル索引等、資料充実。

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関連ワード
評伝 フォーレ
タイトル
著者・編者・訳者
J=M.ネクトゥー著
 
大谷千正監訳、日高佳子・宮川文子訳
発行年月日
2000年 1月 20日
定価
11,000円
ISBN
ISBN4-7948-0263-3 
判型
A5判上製
頁数
900ページ

著者・編者・訳者紹介

監訳者-大谷千正(おおたに・せんしょう)/フォーレ研究家
著者-Jean-Michel Nectoux/1946年ランシー生まれ。フォーレ研究の世界的権威。V・ジャンケレヴィッチの指導の下で文学(国家)博士号取得。現在、音楽書、音楽番組プロデューサー。パリ、オルセー美術館音楽課長。

内 容

【明暗の響き】フォーレ研究の世界的な第一人者によって作品と人物像を紹介する決定版。初公開写真、家系図、年譜形式の作品表、譜例、項目別邦訳版オリジナル索引等、資料充実。
 この度フォーレ研究の世界的な第一人者J=M.ネクトゥーによって作品と人物像を紹介する『評伝フォーレ』が刊行された。「あまりにもフランス的…フランス以外の国では理解されないだろう」と、多くの誤解を受けてきたフォーレの音楽の全体像を理解するための今世紀最大の決定版である。
 ガブリエル・フォーレは1845年に南仏アリエージュ県のパミエに生まれ、1924年に没した作曲家で、今年が生誕154年の年にあたる。9歳の時に見出されてパリのニデルメイエール古典宗教音楽学校に入学し、そこで生涯の師となり友人となったサン=サーンスとの出会いがある。彼の引き立てもあって、やがて生涯の大半において無名であったフォーレはパリ国立音楽院の院長、学士院会員にまでその道を歩むことになる。
 音楽史の上では、サン=サーンスから受け継いだ古典主義の流れラヴェルに伝えながら、象徴派のフランス歌曲(メロディー)を確立した人物である。
 一方、彼は当時のサロン文化の中心的人物の一人でもあり、音楽家以外の多くの文化人達とも交流を保っていた。憎まれない人柄もあってか、各分野に様々な影響を及ぼしているが、例えば、象徴派の詩人のヴェルレーヌを世に出したのもフォーレであり、またプルーストの『失われた時を求めて』の中の一節もフォーレの『バラード』から生み出されたものに他ならないのだ。
 フォーレの場合、このサロンでの交際の模様が書簡集という形で残されており、当時の芸術家達の交流を読み取ることができるが、このたび刊行された『評伝フォーレ』の中でもそれらは数多く引用されている。さらに59点にのぼる初公開を含む写真、家系譜、そして充実した年譜等、当時のフランスの音楽史、文化史、さらには精神史の流れを追ううえでの総合的な大著として、本書は資料的、歴史的な意味をも兼ね備えているといえよう。まさにフォーレ愛好家待望の一冊(バイブル)である。
 なお、諸般の事情による邦訳版の刊行が大幅に遅れたことを、長らくお待ちいただいた読者の皆様に深くお詫び申し上げたい。

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