新たに甦ったサンティアゴ巡礼道

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タイトル
サブタイトル
サンティアゴ・デ・コンポステラへの道
著者・編者・訳者
清水芳子著
発行年月日
2003年 6月 18日
定価
3,520円
ISBN
ISBN4-7948-0606-X 
判型
A5判
頁数
332ページ

著者・編者・訳者紹介

清水芳子(しみず・よしこ)
神戸市生まれ。関西学院大学文学部卒業。同大学院博士課程修了。専攻は美学。現在、神戸松蔭女子学院大学教授。訳書にJ.ラドリン『評伝 ジャック・コポー』(未来社、1994年)がある。

内 容

 サンティアゴ巡礼が隆盛を極めた11、12世紀は、西洋美術の精華ともいうべきロマネスク美術が開花した時期でもあった。この時代、サンティアゴ・デ・コンポステラに向かう巡礼道を、王侯貴族や聖職者、名もなき庶民、そして刑罰を受けた罪人、また旅の巡礼を待ち構える盗賊の群など、実に様々な人間が行き交ったのであるが、その中には聖堂建築に携わる工房集団の姿もあった。
 サンティアゴ巡礼が隆盛を極めた11、12世紀は、西洋美術の精華ともいうべきロマネスク美術が開花した時期でもあった。この時代、サンティアゴ・デ・コンポステラに向かう巡礼道を、王侯貴族や聖職者、名もなき庶民、そして刑罰を受けた罪人、また旅の巡礼を待ち構える盗賊の群など、実に様々な人間が行き交ったのであるが、その中には聖堂建築に携わる工房集団の姿もあった。後のゴシック時代と異なり、この「巡礼路教会」とも呼ばれる聖堂群を建てたロマネスクの工人たちの名はほとんど知られていない。彼らの神に仕えるひたすらな思いは、いまに残る数々の美しい聖堂とそれらを飾る彫刻、絵画から窺い知ることができるのみである。シンプルで優しく、自在で真摯なその色と形、そして石への愛。かくも心をとらえる「かたち」を残した工人たち。そしてあの時代の夥しい数の巡礼たちを道へと駆り立てた彼方への熱望。彼らの心のありようを知りたいという思いが、がむしゃらに私たちを巡礼道へ踏み出させた。1987年から始めたこの旅は、振り返れば10年余りの歳月をかけた、1600キロにも及ぶ長い巡礼道となった。

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