欧州の「平和」理念の基底にあるキリスト教的政治倫理を再考

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タイトル
ヨーロッパ統合とキリスト教
サブタイトル
平和と自由の果てしなき道程
著者・編者・訳者
坂本 進著
発行年月日
2004年 12月 7日
定価
4,104円
ISBN
ISBN4-7948-0644-2 
判型
A5判上製
頁数
360ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-坂本進(さかもと・すすむ)
 1937年、熊谷市生まれ。
早稲田大学第一政経学部卒業後、三井銀行(現、三井住友銀行)パリ支店長等歴任。コナミ株式会社米国法人社長等を経て、現在早稲田大学大学院博士課程に在籍。
日本EU学会会員。社会思想専攻。

内 容

 欧州統合の父ロベール・シューマンが描いた統合の基本構想には民主主義とキリスト教という2つの支柱があった。彼の構想するヨーロッパ共同体では民主主義をその基本理念に据え、共同体がもっぱら民主国家のみにより構成されるべきこと、そしてキリスト教が民主主義と並んでEUにおける政治倫理原則として機能すべきことを強調した。本書は拡大するEUについてその思想的基盤をヨーロッパの辿ってきた歴史を回顧しながら考え直そうとするものである。
 彼の構想がキリスト教に言及しているのはヨーロッパがキリスト教文化により成っていることを前提に、飽くまで政治倫理や政治道徳規範としてキリスト教を主軸に据えるべきであるとしたものと解せられる。しかし現実に世俗化したヨーロッパで今やキリスト教は精彩を失い、ヨーロッパの将来像にキリスト教的色彩は薄い。その歴史において専ら自由と平和とを追求してきたこの地でも、いま自由も平和も共に危機に瀕している。
 「自由」は自らを蝕み、「平和」は方向性を見失って、無規律で無節操な現代社会に共に居場所を失い、その姿はさながらエデンの園を追われ往くもののごとくである。政治統合へ向けて一段の深化が進むこの時期にこそキリスト教が育んだ政治倫理の存在を再考する意味がある。

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